飛騨高山の有名な漬物に品漬けというものがあります。
今年も漬けました。
夏に収穫した茄子、胡瓜、茗荷、秋に採れるキノコ等をそれぞれ塩漬けにしてとっておき、
冬赤カブが採れたとき、みな一緒にして漬け込んだものです。
たくさんの品が入っているということからのネーミングでしょうか。
私が小学校6年生の春休み、叔母に連れられて高山を訪れた時に初めていただきました。
雪がしんしんと降り積もる日でした。
ホウの葉っぱの上に乗せ、いろりで暖めて食べさせてくれました。
ご飯が冷たかったことを覚えています。
私の育った浜松では雪など滅多に降ることも積もることもありませんでしたので
この時の光景、冷たさはいまだに良く覚えています。
温かなご飯もすぐに冷えてしまうこと、瀬戸の茶碗の冷たさはそこの空気の冷たさであることを、茨城に来て初めて理解できました。
茨城で自ら少し野菜を作り始めたとき、胡瓜も茄子も茗荷も採れるのだから、
これで赤カブを作れたら品漬けができるのでは! と思いました。
高山の叔母の友人が毎年赤カブの種を送ってくれます。
叔母はとっくにこの世にいませんが、きっと近くにいるのですね。
今年は天候のせいか柔らかな赤カブをたくさん収穫でき、胡瓜や茄子も上手に漬かり、
最高の出来具合でした。植物の乳酸発酵のやさしい漬物です。
夏の野菜も赤カブも一口大に切って 一緒に漬け込みます。
漬けてから1週間、毎日1回かき混ぜます。
手が切れるように冷たいのですが、我慢してかき混ぜます。
そして1カ月後、良く発酵すると赤カブの色がきれいに出ます。
できあがり。