ここでは、少し詳しく 私たちの 「窯」 と 「作品」 についてご説明したいと思います。
中野童男が 1991年に築いたものに、すこしずつ改良を加え 今で3基目となるものです。
単室の窖窯です。
内部寸法は 長さ4.5m、幅1.3m 高さは火床が最も高く1.2、後部で0.8mほどです。
35cm×40cmの棚板を 3枚並べたものが 火前から後ろにかけて 5列 並びます。5列目は2枚です。
左の図は 窯を横から、右の図は 窯を上から見たときの模式図です。
どちらも左側が焚き口です。
搬入口は窯側面にあり 幅・高さ共に1mほどです。
試したことはないのですが、茶碗だけを詰めたとすると、200個程は入ると思われます。
主に焚き口からのみ薪を入れて焚きます。
よって、火前から後ろにかけて 温度差等 変化が大きく 場所によって全く違った景色となります。
各場所で取れる主な景色についてご説明します。
火前から1列目です。
ここでは、しっかりとかかる自然釉が特徴です。
この場所で灰残りということは まずありません。
この作品に使用している土は 独自にブレンドした強めの赤土です。
2列目です。
ここは綺麗な緋色を主な特徴としています。 必ず取れるとは限りませんが。。
この瓮(もたひ)は 径63cm 高さ63cmと 大きめなため景色もゆったりとしています。
自然釉もとれます。
土は 琵琶湖畔 栗東町の白土をベースに独自にブレンドしたものです。
同じく2列目での上とほぼ同じ土です。
適度に自然釉がかかっています。
3列目です。 土味が良く出るのが特徴です。
灰が少しかかった景色と、土味が特徴です。
この土は 備前土をベースにブレンドしたものです。
同じく3列目での備前土ベースのブレンドですが、灰のかかり具合などで 表情が大きくかわります。
写真左が3列目での伊賀槇山の土をベースにブレンドしたものです。
3列目以降では、土が強いと灰残りが多くなってしまいます。
写真右は 4列目で焼成したものです。
土は 独自に採取した北茨城の土をベースにブレンドしたものです。
4列目はあまり自然釉がかかりません。
そのかわり土味がよく生かされます。
写真のものは多少 灰残りしていますが、やさしい土味に焼けています。
土は北茨城の土をベースにブレンドしたものです。
5列目のものの写真はありませんが、灰残りが多く すこし焼けにくい場所です。
最後に 火床についてです。
焚くたびに大分景色が違います。
3つ目の茶碗は 引き出したものです。
大甕 径59cm×高58cm
火床で大きなものを焼くこともできます。
主に土は 伊賀のものをベースに 強くなるようブレンドしています。
これらの他にも火床では いろいろな景色が楽しめます。
激しく焦げたような土味、翡翠のような緑、透き通った碧、青、等々
焚くたびに新しい感動があります。
また、棚組したところでも 窯焚きによっては 土味がだいぶ変わったものとなります。
以下にいくつか掲載いたします。
どれも3列目以降で取れた作品です。
土は 備前の土、北茨城の土です。
これらの作品は、それぞれ違う窯焚きでとれたものです。
窯を焚くたびにいろいろな景色が楽しめます。
この窯で 入れる場所による違いの傾向を掴んで頂けるような作品を選びました。
どのように焼きあがるかは窯を開けるまで分かりません。
窖窯を焚いてみませんか
こちらにご参加の際は、このようなことを念頭において土を選んでいただけると
より一層 私たちの窖窯を楽しんで頂けるものと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。